銀座グラフィックギャラリー(ggg)の作品解説書いてみた。

2015.06.12 Works 

追記 2016.05.25

このblog書いた時にはまだなかったんですけど、ちゃんとしたまとめページも以下にできてますので、こちらも御覧ください!!!!!!
http://www.rhizomatiks.com/ggg/

2015.6.5より銀座グラフィックギャラリー(ggg)で、
ライゾマティクス グラフィックデザインの死角」という展示会が始まりました。

gggは学生時代から東京来ることがある度に行ったりしててとても好きなギャラリーの一つだったんですが、
まさか今回そんな場所で展示できる機会があるなんて思っていなくて、喜んでやりたいす!と木村さんに飛びつきました。
(というのが昨年の秋とかだったかな??)
ただそうは言ったものの、2月から4月くらいまで案件でNYミラノに行っていたりでほぼ日本におらず、
帰国したらすぐに佐藤卓さんとの展示で、気配の設えっていう展示をこれまた銀座でやらせてもらい、(こちらも書きたい事色々あるのでまた後ほど書かなきゃ)結局ちゃんと話を聞いて制作に入れたのが5月上旬くらいでした。(展示まで1ヶ月ないよ!)

基本的に展示案件はとても好きなので最後までひーひー言って死にかけながら作るんですが、
今回はちょっと本気で間に合わねーかもと思いながらやってました。。まー純粋に盛りすぎた。。
展示終わったらこちらもworksにまとめたいなーと思ってますが会期が終わるまではまーとりあえずお楽しみという事で。
2015.11 まとめました。 http://rettuce.com/gggddd/

で、今回の展示、キャプションもなければ作品説明みたいな紙とかもなく、絶対何やってるか分かんないよねと知ってたんだけど特に何か親切に解説している部分があるわけでもなく、初日に色んな人に説明したら割と好評だったので、その辺りをblogにでも書いておこうかなと思ってました。

という訳で若干のネタバレあるかもだけれど、作品を見ながらとか見る前とか、見た後に、という人に向けて
ちょっと自分の作ったものの説明書を書いておきます。(あくまで自分の関わった範囲での自分の認識なので、先輩達との認識とはズレあるかも)読んで間違いあれば教えてください〜

まず今回の展示は、日本を代表するグラフィックデザイナーである田中一光さん、永井一正さん、福田繁雄さん、横尾忠則さんのこれまでの膨大な作品データを解析し、そこから何かしらのデザイン手法の糸口が見つかるんじゃないかみたいな、それをライゾマティクスなりのデザインや表現に落とし込むとこんな感じになって、そのアプローチの仕方とかってグラフィック界隈の方々にとってはデザイン手法の死角になり得るんじゃないか、みたいな木村さんからの話を聞いてそんな感じで理解してた。←完全に超個人的意訳。

で、会場構成は4部構成になっていてざっくり1Fが配色、B1Fが構成と感性、そしてそれらを全部ひっくるめた手法や結果を使ってデザインを行うと、入ってすぐ1Fの中央にあるグラフィックポスターの完成系になるよという流れのもの。最初にいきなり見た結果が過程を経て理解できていくという流れですね。

今回その中で僕は配色、構成の部分を担当しました。
上記の膨大なデータから登本さんが色んな解析方法で、見えなかった事を抽出してくれるのだけど、(相変わらずデータ厨としては最高に面白い)
それを使ったらどういった表現ができるかとか、その結果に行き着くまでの実際にすごいスピードで解析される過程の詳細を見せていく事でその完成物にまた違った愛着みたいなものが生まれるんじゃないかとか。そんな事を考えながら色々作ってました。

1F.配色

まず、展示会ポスターにも使われているこの配色、これどうやって求めてるの?という事で登本さんから解析手順を聞きました。
手順としては一旦CMYKである画像をスキャンしてRGB化した後、Lab色空間に変換、クラスタリングして中心点から抽出された色らがあの代表色となる、と。なるほどさっぱり分からんw という訳で色々勉強からスタート!

因みにこれらの解析を経てあのカラーバーが出来上がるんですよ、というのを視覚化してみたのが1Fに流れてる映像です。

まずLab色空間っていうのが以下Wiki。

Lab色空間 CIE 1976 (L*, a*, b*) 色空間 (CIELAB) のうち、sRGBの色域に収まる範囲(一般的なコンピュータのディスプレイに表示できる範囲)
だけを示した図。それぞれの軸は -128 から 128 の範囲である。 Lab色空間(エル・エー・ビーいろくうかん、英: Lab color space)は
補色空間の一種で、明度を意味する次元 L と補色次元の a および b を持ち、CIE XYZ 色空間の座標を非線形に圧縮したものに基づいている。

こことかこことかにも。

国際照明委員会(CIE)って所が規格化した色モデルの一種で、人間の感覚に近い均等な色空間(これを等色差性っていう)として考案されたっていう特徴があって、その色空間に変換した上でクラスタリング(分類、つまり全体を10に分けます!みたいな)する事で特徴色が見えてくるという事ですね。

で、このLab色空間ってのは色々面白くて、例えば同じ赤色でも照明の強さやディスプレイのガンマ値とかで人の色の感じ方が変わると思うのだけど、
変換式の中で光源をどの程度にするかという値があって、その値が常に同じという事はないので、正確にはLab色空間の形は決まっていないんですね。
で、そうは言っても一旦光源の強さをどこかに設定しないといけないので今回の展示では標準光源としてD50を仮定して計算してみました。
そしてできたLab色空間がこんなかたち。

lab

1F配色での映像やボード説明での3D可視化というのは全てこのLab色空間が基になった話になってます。

クラスタリングはK-Meansクラスタリング(k平均法)というアルゴリズムを使って分類していて、こちらがwiki説明。

k-平均法は、一般には以下のような流れで実装される。データの数を n 、クラスタの数を k としておく。
1. 各データ x_i(i=1...n) に対してランダムにクラスタを割り振る。
2. 割り振ったデータをもとに各クラスタの中心 V_j(j=1...k) を計算する。計算は通常割り当てられたデータの各要素の算術平均が使用されるが、必須ではない。
3. 各 x_i と各 V_j との距離を求め、x_i を最も近い中心のクラスタに割り当て直す。
4. 上記の処理で全ての x_i のクラスタの割り当てが変化しなかった場合、あるいは変化量が事前に設定した一定の閾値を下回った場合に、収束したと判断して処理を終了する。そうでない場合は新しく割り振られたクラスタから V_j を再計算して上記の処理を繰り返す。

という感じで、中心点求めてはグループ分けをし直して、という1〜3を繰り返し行っていくというアルゴリズム。
映像中に出てくる点と線が結ばれて、しばらくちょこちょこ動き続けているのはこのアルゴリズムを繰り返し行っている過程です。

こうして分類されたグループを一塊として1つのポリゴンにすると、Lab空間上にその人の意図しない色の塊が出来上がるなと思って作ったのが
映像の後半にあるポリゴンが出来ていく所と、ボード説明での3D可視化というものです。
自分のこれまで作ってきた作品データの色の特徴が目に見える新たな形になって現れるって何かいいなと思って作ってみました。
(余談だけども田中一光さんの全期間分データ50クラスタリングで作った3DデータがクソかっこいいのでB0ポスターに刷りたいと目論んでる)

2015.11 作りました。

Color Analysis of IKKO TANAKA.

you tanakaさん(@rettuce)が投稿した写真 –

あと、B1Fトイレ前にこの解析を手順を追って1つずつ進めていくアプリを設置しておいたので1個ずつクリックしながら進めていってみてください。
このアプリでは例えば、デザイナーさん毎に10作品の色を10グループに分類して3D化するとこういう手順ですよというのが体験できます。
(最後の3D化というのはデータビジュアライズの見せ方の一環の話なので解析には関係ないです)

B1F.構成

次に構成の展示では、登本さんが各々デザイナーの各作品に対して「視覚的な顕著性(Saliency)」を求めるという画像解析をされていて、
そうしてできた全ての白黒濃淡の顕著性マップから7パターンを作成。全ての顕著性マップはこの7パターンの比率で再現できるそう。すげぇ、全然分からん。。w
そして更にその7パターンに最も近しい、マッチした20作品が導き出されていました。

で、顕著性というのが「もし人の視覚的注意の仕組からすると、この画像の中でどの部分を注視しやすいか」という事を現したもので、画像から各ピクセルの顕著性を計算したものを「顕著性マップ」と呼ぶそうです。

マイナビニュースに分かりやすい解説ありました。

今回はそれらに加えて各作品のタイトル、サブタイトル、インフォメーションの文字構成エリアも調べることで、
更にその人の好む(?)顕著なレイアウトが見えてくるんじゃないかというような実験でした。

そうして導き出された最も各デザイナーらしい顕著性マップ7パターンに対して一番マッチした作品それぞれにマップをz深度として適用させ、本来意図しなかったであろう作品の歪みや明暗がでるようにしました。目立つ部分は前に、そうでない部分は後ろに、という感じです。
(各デザイナー大先生方の作品を歪ませて本当に大丈夫かと思いながら作っていたのは内緒)

とりあえずこんな感じの解説をしてもらいながら展示を見てもらえると
みんな色々と見えてくるんじゃないかなーと思います。

因みに展示解説用のキャプションのつもりで書いてたんですが、
どうやらこんなような事を6月19日(金)にギャラリートークでお話する事になるようです。。
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

ggg

gggでギャラリートークって。。。すごいなぁ。。←他人事

とりあえず 06月27日(土)まで展示はやっていますのでぜひぜひ見に行ってみてくださいませ。:)
あ、gggは日曜お休みなのでお気をつけくださいませ。

you

2015.6.18

齋藤あきこ様がハンドアウトをライティングしてくれました!!!!(ハンドアウトって言うのか知らなかった)
Screenshot 2015-06-18 15.54.32
Screenshot 2015-06-18 15.54.43

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